膝の水を抜いて薬剤を注入する関節注射

■関節水症や炎症による悪循環を断ち切る
に水がたまる関節水症は、関節の内側を覆っている滑膜がなんらかの刺激を受けて、吸収する以上に多量の関節液を排出して起こります。
一度膝に水がたまると、水がたまっていること自体が滑膜を刺激するので、さらに関節液が増え、痛みや熱感などの炎症症状を悪化させます。
この悪循環を断ち切るには、にたまった関節液を注射器で抜く必要があります。
この治療法を関節穿刺といいます。
しかし、関節液がたまれば抜けばいいというものではありません。
関節液がたまる原因を治さなければ、またすぐにたまってしまいます。
に注射器を刺せばその際に、細菌が関節内に侵入して化膿性関節炎を起こす危険もあります。
たまっている関節液の量が多くないときは、滑膜の炎症が治まって、自然に吸収されるのを待ちます。


■化膿性関節炎
体のどこかの感染巣にある化膿菌が、血液によってに運ばれてきてたまたま関節内に侵入すると、関節が腫れて高熱と激痛を伴う化膿性関節炎が起こります。
化膿性関節炎は、関節注射のあとに起こるときもあるので、注意が必要です。
関節注射を受けた当日は入浴を避けたほうがよいです。
その後に関節が急に熱を持って腫れたり、安静にしていても激痛が起きたときは、すぐに整形外科医に診てもらう必要があります。


■ヒアルロン酸を注入する
注射器で関節液を抜くとともに、薬剤を注入する場合もあります。
主に、関節軟骨の中に含まれているプロテオグリカンの核になっているヒアルロン酸を注入します。
ヒアルロン酸には炎症を抑える効果があります。
もともと関節内にある成分なので、副作用の心配もありません。
以前は副腎皮質ホルモンであるステロイドが用いられていました。
しかし、関節軟骨や骨を弱くしたり、感染に対する抵抗力を弱めるなどの副作用があるので、現時は第一選択薬としては使われません。
ステロイドは炎症を鎮める作用が強いため、副作用に注意して使えば、効果を発揮します。
関節注射により膝の炎症は抑えられ、痛みも軽くなります。
しかし、変形性膝関節症では、炎症ではなく、関節軟骨の破壊が問題です。
関節注射を何回も繰り返しても、変形性膝関節症時代を治すことはできません。
運動療法を基本に、補助療法としてタイミングよく使うのが効果的です。


■関節穿刺(かんせつせんし)の手順
1.患者は、を伸ばすか、膝の下に小さな枕を置いて軽く曲げた状態で仰向けに寝ます
2.膝蓋骨と大腿骨の間、または膝蓋骨の少し上のほうに向けて、膝の外側から水平に注射器を刺します
3.関節包を刺し通す感触を確かめ、たまっている関節液を注射器で吸引します
4.吸引がうまくいかないときは、針だけ残して注射器をはずし、膝を周囲から圧迫して関節液を押し出します。


■関節注射の効果と影響
関節注射は、膝に水がたまっているときや、関節内に炎症が起きて痛みや熱感があるときには、効果的な治療法です。
しかし、あまり頻繁に使っていると、一時的に活動が楽になるために、つい無理をしてしまいます。
すると、関節軟骨を傷めてしまったり、化膿性関節炎を起こしたりする危険も高くなります。
使う時期や回数によっては、関節注射の効果よりも、弊害のほうが問題になってしまいます。


■関節穿刺(かんせつせんし)するとクセになるのか
関節液は、滑膜によって産出されるとともに吸収されて、通常は一定量に保たれています。
しかし、変形性膝関節症で関節軟骨が摺り減ったりするときに、滑膜が刺激されて関節炎が起きて、吸収する量以上に関節液が多量に産出されて、結果的にに水がたまることになります。
に水がたまってくると、痛みがあるだけでなく、たまっている水が滑膜を刺激してさらに水がたまっていきます。
にたまった水を1回抜いたとしても、関節炎そのものが治るまでにはある程度の時間がかかります。
その間にまた水がたまることもあります。
一度の水を抜くと、クセになってまた水がたまると思うかもしれませんが、それはクセになるわけではありません。
水がたまる原因が解消されていないために水がたまり続けるのであって、水を抜いたことによってたまるのではありません。

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