■バランスが崩れて水がたまる
関節液は通常、滑膜で分泌・吸収され、関節内にある関節液の量は一定に保たれています。
関節軟骨に傷がついたり擦り減ったりすると、壊れた軟骨の微少なかけらなどの有害な刺激物が滑膜を刺激して炎症を引き起こし、関節液の分泌を促します。
そのため、分泌する量のバランスが崩れ、関節内の関節液がたまるという状況、関節水症が起こります。
関節液が多く分泌されるのは有害物を排除するためです。
このときの関節液は、有害物を分解するための分解酵素や、有害物を排除するためのリンパ球や白血球などが多く含まれています。
したがって滑膜の炎症が治まると、滑膜が吸収する関節液の量が増え、徐々に関節内にたまった関節液も引いていきます。
関節水症が起こりやすいのは、変形性膝関節症の前期から初期にかけての関節軟骨が摺る減り始めたころです。
さらに進行期で関節軟骨の壊れ方が急に進んだころです。
関節水症が起きると、膝が重たいように感じたり、鈍い痛みがあったりします。
■関節液がたまるところ
関節液がたまると、膝のお皿の上や下、膝の後ろが膨らんでくることがあります。
しかし、関節包は1つの袋なので、1ヵ所だけが膨らむわけではありません。
1番目立つのは、お皿の上のほうです。
膝の上が少し出っ張ったようになります。
次に、膝のお皿の下の内側と外側の膨らみが目立ってきてきます。
最後に、膝の後ろの膨らみが目立つようになります。
■炎症
生体を刺激している有害物質を排除しようとしたときに起こる生体防御反応を炎症といいます。
たとえば、怪我などで受けた傷が化膿して炎症が起こると、その部分が赤く腫れ、熱や痛みを伴います。
それは、白血球やリンパ球などがその部分に集中して、病原菌と闘っているために起こる症状です。
関節水症も同様です。
正常時の関節液にはわずかにしか含まれていないリンパ球や白血球などを多量に排出することで、滑膜を刺激している有害物質を排除しようとしています。